2025.08.04
感覚刺激のツボ(実践編)
ハンドスクリーンは大きな映像空間を作るというより、小さく軽いので、自分で持って扱えたり、空中にある光を目の前に映し出したりできます。また、ハンドスクリーンを持つ人が光を主体的に捉えて、気がつけば自ずと体が動く楽しいスクリーンです。ゆめ水族園が目指す「表現の表出」に直結するスクリーンです。
ゆめ水族園ではさまざまな位置に映像を作り出しますが、ハンドスクリーンは自分の目の前に映像を作り出すことができ、見え方に課題がある人にも近くで映像を見ることを促せます。傘とかシーツとかウチワとか画用紙とか既製品でも十分使えると思いますが、ここでは手で持って扱うスクリーンを作ってみましょう。
自分で作ると、天然の木を使って利用者さんが持ちやすいように枠の形を工夫することができ、軽く扱いやすいうえに触覚の刺激にも役立ちます。また、自然を主体とした映像との親和性が増して感覚刺激が高まると考えます。
それでは具体的にその作り方について説明していきます。スクリーン面になる素材は、日用品などで作れます。例えば、キッチンの換気扇のフィルターの布とか水切りのメッシュの布、もちろん和紙とかトレーシングペーパーなど光を受け止められれば、ほとんどの素材は使えます。手で扱うものなので軽い素材がいいですね。また、壊れても修復できるありふれた素材がいいと思います。ポイントは、半透過する素材にするのか、画用紙のようにある程度不透過の素材にするかです。
また映像の見え方はそのスクリーンの素材によって変わり、例えば、綿のような厚みのある素材とポリ袋のような素材では質感が変わります。手芸店で色々な布などを探してみるのも楽しいと思います。
スクリーンを張り込む枠は、軽く持ちやすい形で自然の素材がいいと思います。
写真では、自然の線を活かす、感触の質感を高めるなど考慮して木の枝を曲げて本格的に作っています。そこに木工用のボンドなどで布を張り込んでいます。枠を作るのが難しければ、ウチワのようなものにスクリーンを張り込んでもいいでしょう。
特別支援学校ならば美術の授業などで作ってみてもいいでしょう。スクリーン工作の授業です。
ハンドスクリーンには写真にあるような旗状の揺れるスクリーンもあります。これは利用者さんに使ってもらうというよりも、空間で映像を捕まえながらそのスクリーンの触感を利用者さんに感じてもらうために使用します。
こうして作ったハンドスクリーンはゆめ水族園のイベントで使用しています。ハンドスクリーンをプロジェクターから出る光に向けると、スクリーン上に魚などが映り込んで、まるで魚をすくっているようだと好評です。
自ら作ったハンドスクリーンで映像を捕まえてみてください。映像を捕まえることに夢中になっているうちに、気がつけば思わず「からだがゆるみ心ほどけます。」