2024.04.01
感覚刺激のツボ(実践編)
ゆめ水族園では、表現の表出を引き出すために、視覚、聴覚、触覚を重要視しています。スクリーンは、視覚と触覚にアプローチするための重要なアイテムです。どのようなスクリーンを使えばより効果的にさまざまな表現の表出を引き出せるのか…。今回は身の回りにあるものを使った投映についてお話しします。
通常、プロジェクターのスクリーンは映像をきれいに映すために、揺れない、平面のものが好まれます。対して、ゆめ水族園では「揺れる」、「包まれる」、「触れる」、「近くで見られる」、「質感」というポイントを押さえたスクリーン素材を選び、設置の仕方を工夫しています。揺れるスクリーンでは、自然の揺らぎを感じることができ、包まれるスクリーンでは、映像との一体感を作り没入感を得ることができます。
また、スクリーンの位置を工夫すると、目の前に映像を映し出すことができ、手を伸ばしスクリーンに触れることもできます。さらに、スクリーンの素材にさまざまな質感のものを使えば、触ったときに触覚が刺激され、くっきり見える、ぼやけて見える、重なって見える、など視覚的にも変化が出ます。
身の回りのものを使って、「揺れる」、「包まれる」スクリーンを作ってみましょう。
まず、どの素材を選ぶとしても、絵や文字などの柄がないものを選びましょう。色は白や黒などが比較的映像の色が映えますが、それ以外の色でも映すことはできます。実際に病院や学校の方々が工夫されたスクリーンの事例を紹介しますので、参考にしてみてください。
自分で持って動かせるハンドスクリーンとして使っています。
目の前で映像を見ることができるので、集中力がグッと高まりそうです。また、動く魚たちを追うことで、能動的な体の動きを引き出すことができるかもしれません。
ベッドの上に2本の白い傘を組み合わせてその上に黒い布をかぶせることで、一人だけの映像に包まれる空間を作っています。
ベッドに寝たまま、すぐ目の前に広がった映像を楽しむことができそうですね。
白い洋服に身を包み自分自身をスクリーンにしています。体の上を魚や植物が動くことで、不思議な感覚になりますね。
とても近い距離で見ることができるので自然と手を伸ばして触ってみるなど、体の動きにもつながりそうですね。
病室に付いているカーテンにそのまま映すだけで、間近で映像を楽しめるスクリーンになりますね。
カーテンは風で揺らいだり、波形状で映像が歪んで見えたりするので、空間の変化も楽しめそうです。
壁や天井など、平面に映像を映す場合に、風船を使って凹凸を作ると空間に変化が生まれますね。
風船に映る映像が風に揺らいで変化する、不思議な空間ができそうです。
透過性のある蚊帳を使い、外側から投映しています。一人だけでゆったりと過ごすことができる空間です。中に入って寝転べば、すぐ目の前に広がる映像を楽しむことができますね。
このように、専用のスクリーンを用意しなくても、素材選びや設置方法の工夫しだいでいろいろな空間を作ることができます。体が動かせない方、車いすに乗っている方、自由に動ける方など、体験される方に合わせてスクリーンを選択し、よりよい感覚刺激体験を楽しみましょう。
今回紹介した以外にも使えるものがあるかもしれません。ぜひ身の回りのいろいろなものに投映してみてください!