2024.05.01
感覚刺激のツボ(考え方編)
感覚刺激体験を生み出す映像空間の特徴
ゆめ水族園では、体験される方が普段から慣れ親しんでいる施設の部屋を会場としています。体育館やプレイルーム、病室など広さや形状はさまざまです。ゆめ水族園は、代表的な9つの映像空間の組み合わせ方を会場や体験される方に合わせて変化させそれらの調和を取ることによって、その施設固有の感覚刺激体験を作り出します。
今回は、感覚刺激体験を生み出すベースとなる映像空間の特徴について紹介します。
ゆめ水族園を形成する代表的な9つの映像空間
視覚、聴覚、触覚を通して引き出される感覚は、刺激を提供する映像空間によって変わってきます。そして、体験される方に各映像空間にどのようにアプローチしていただくかが重要です。ゆめ水族園では、レイヤー状に配置したスクリーンの中を通り抜けたり留まってゆっくり体験したりするエリアや、大きな特徴的な生き物を明快に投映しているエリアなど、さまざまな特徴を持った9つの映像空間を組み合わせて構成しています。
- ❶ Wandering(ワンダリング)-さまよう-
- ❷ Dive(ダイブ)-没入する-
- ❸ Melty(メルティ)-溶け込む-
- ❹ Break(ブレイク)-休憩する-
- ❺ Move(ムーブ)-動かす-
- ❻ Hide(ハイド)-隠れる-
- ❼ Raise(レイズ)-高める-
- ❽ Frolic(フロリック)-戯れる-
- ❾ Fantas Car(ファンタスカー)
映像空間を構成する映像、スクリーンの特徴
映像空間の性質は、映像とそれを映すスクリーンに大きく依存し、それらには以下のような特徴があります。
- 魚などのオブジェクトの配置とオブジェクトに与える変化によって、映像を見やすくして映像空間を感じやすくします。
- 映像を囲む四角いフレームをなくすこと、映像の背景を暗くして半透過のスクリーンに映すこと、などにより、オブジェクトが浮遊している感じを作り、体験される方と映像空間との一体感を高めます。
- 設置するスクリーンだけでなく、壁や天井など、施設構造物そのものもスクリーンとし、多方面に映像を映すことによって、体験される方がどこにいても映像空間に包まれる感覚を高めます。
- 揺らぎのある自然の映像と柔らかく揺れるスクリーンにより空間全体に揺らぎを持たせ、自然の中で揺らめく感覚を作り出します。
- 体験される方が触れたくなるような素材、配置をスクリーンに選び、体験される方がスクリーンに映った映像と触れやすくすることによって、自分の輪郭を確かめられます。
9つの映像空間の組み合わせがもたらす相乗効果
個別の映像空間はそれぞれに狙いと性質を備えていますが、それらを組み合わせることで生まれる相乗効果もゆめ水族園の特徴です。
- 映像空間によって、体験される方から映像までの距離感が異なります。また、映し出す映像も異なります。1つの映像空間の先に別の映像空間が見えることでそれらが混ざり合い、複雑で選択性のある映像空間を体験できます。
- 各映像空間にはそれぞれ再生時間の異なる映像が繰り返し表示されます。それにより、同じ映像空間を再び訪れてもその時混ざり合う映像が変わるために映像空間の雰囲気が変わり、体験される方に新たな発見や集中をもたらします。
- 映像空間は、車椅子の方もバギーの方もベッドの方も自由に動けるだけのスペースを持ちそれが連続しています。1つの映像空間の先に別の映像空間が違うアプローチで連なることで、体験される方のあちらに動きたい、ここに留まりたい、というような能動的な動きを誘います。
- 普段とは少し違う、自然界にいるようなざわざわ感と人に囲まれる雰囲気、それでいて周りの人と適度に離れている状態が、体験される方の開放感を誘います。
今回は、ゆめ水族園の映像空間の特徴を紹介しました。別コラム「感覚刺激ならではの動画コンテンツの特徴」を併せてご覧いただくと、映像空間について理解が深まると思います。
次回以降で、ゆめ水族園のシンボル的な映像空間「ワンダリング」など、各映像空間に込めた狙いについて掘り下げてみたいと思います。お楽しみに。